ある日、ある児童養護施設でコンサートが開かれた。
子供たちの手が届きそうな距離の小さなステージ。
照明も、音響も、ミュージシャンも最小限の人数だが「本物」を見せてくれた。
「歌手になりたい」
ステージの後にサインを求める女の子。
近くに寄ってギターを眺める男の子。
照明さんや音響さんが説明する機械の操作に目を輝かせる子どもたち。
『施設の子どもたちは大人になることを急ぎます。
そして「夢」を成し得なかった過去の景色に求める子どもが多いのです。
「家庭を築くことや安定した仕事につくこと・・・」それはわるいことではありません。
ですが、もう一つ、子どもらしい夢を持って欲しいと願います。
夢なのですから、遠くに見える光のようなものをもう一つ・・・』
コンサートの後、施設の先生が話してくれた。
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